当院の予防管理システムについて

予防歯科に重点を置いた歯科診療

ひと昔前までは、歯医者さんは「痛くなったら行くところ」というイメージがありましたが、近年「痛くなる前に行く」という意識に変わりつつあります。この考え方はスウェーデンを始めとする歯科先進国ではすでに主流であり、むし歯や歯周病にならないよう定期的に歯科医院に通うのことが当たり前となっています。

佐賀市の森永歯科クリニックでは、予防管理システムという予防歯科に重点を置いた歯科診療を実践しています。こちらでは、当院の予防についての考え方や予防管理システムについてご説明します。

当院の予防についての考え方

「治療」から「予防へ」

以下は、日本人の年代別の歯数を表したグラフです。日本人は50代前後から急激に歯の本数が減り始め、80歳を超えると一人平均14本以下まで減ってしまうことが分かっています。ただ、50代前後から予防を始めても、出来ることは限られてしまいますので、早めの予防・メインテナンスをおすすめします。

「治療」から「予防へ」

「治療」から「予防へ」

日本人が歯を失う原因の約9割はむし歯か歯周病です。初期のむし歯や歯周病は自覚症状が乏しく痛みなどの症状が現れた時にはかなり進行しているケースがほとんど。むし歯の場合、治療のたびに歯を削らなければならずダメージは蓄積されていき、最終的には抜歯せざるをえないこともあります。一度削ってしまった歯も抜歯してしまった歯も、二度と元には戻りません。

痛い時だけ治療する歯のイメージ

痛い時だけ治療する歯のイメージ

できる限りご自分の歯を残すためには、むし歯や歯周病にならないよう予防する「予防歯科」を受けることが重要です。「病気になったら治療する」のではなく、「病気にならないよう予防する」という考え方に変えていきましょう。

日本と海外の意識の違い

歯科先進国であるスウェーデンでは予防歯科の考え方が一般的となっており、定期検診の受診率は80%以上になります。一方、日本人の定期検診の受診率は10%未満。定期検診の受診率の違いは、80歳時点での平均残存歯数の差となって表れます。スウェーデンでは80歳時点での平均残存歯数が約20本であるのに対し、日本はわずか12本です。

日本と海外の意識の違い

スウェーデンでは、ご高齢になってもご自分の歯で食事や会話を楽しんでいる方が多いのに比べて、日本では多くの高齢者が入れ歯などの補綴物がないと生活できない現状にあります。日本人の予防歯科への意識を高めていくことが、高齢になってもご自分の歯で食事や会話を楽しめることにつながります。

患者さんの歯の健康を末長くサポートしていきたい

患者さんの歯の健康を末長くサポートしていきたい

ご自分の歯でしっかり咬むことができれば食事が美味しく味わえ、家族や友人との会話も弾みます。また、しっかり咀嚼できることで唾液分泌を促し消化器への負担も減り、血流がよくなり新陳代謝をアップさせることで認知症の予防にもつながり、健康寿命も長くなると言われています。

年をとっても何でも食べられ、不自由なく会話ができて口を大きく開けて笑える。一人でも多くの方の口腔内が生涯健康であるよう、当院は以下のような目標を立て、地道な努力を重ねてまいります。予防歯科で口腔内の健康を大切に守っていきましょう。

当院の目標

当院の目標

当院では、予防管理システムを採用することで、歯科先進国のスウェーデンと同等の口腔管理ができるように、日本人の予防意識の向上に努めていきたいと考えています。

日本全体の12歳時のカリエスフリー(永久歯にむし歯が一本もない)率は30%程度です。将来的にカリエスフリー率が90%以上であるスウェーデンと肩を並べるようになることを目標とします。

予防管理システムとは

予防管理システムとは、まず口腔内全体のむし歯、歯周病のリスクの診断を行い、その結果を元に個々の患者さんに合わせた予防プログラムを立案し、治療や処置、定期メインテナンスを行う一連の予防診療プログラムです。

プログラム内容
初診時
STEP1問診・カウンセリング

問診票を記入していただき、それを元にむし歯や歯周病の病歴や「歯が痛い」「出血している」などの症状、アレルギーの有無などについて時間をかけてじっくりお伺いします。また、口腔内の写真撮影やレントゲン撮影などの検査も行います。痛みや腫れがある場合は優先して応急処置を行います。当では、一人の歯科衛生士が患者さんを継続して受け持つ担当衛生士制を導入しておりますので、患者さんの歯の状態や症状を把握しやすく、ひとりひとりに適した質の高いご提案・治療をすることができます。

STEP2ビデオ説明

予防ケアの重要性や当院の予防管理システムについてよくご理解いただくために、ビデオを視聴していただきます。ご質問などがあれば遠慮なくおたずねください。

STEP3唾液検査・歯周病検査

むし歯のリスク診断をするために、唾液内のむし歯菌の種類や数を調べる唾液検査を実施。また、歯周病のリスク診断をするために歯周病の進行度を正確に調べる歯周病検査を行います。問診・カウンセリングや検査結果を元に、リスク診断を行います。

検査結果説明
STEP4リスク診断と治療計画の説明

むし歯や歯周病のリスクやその要因と、立案した治療計画についてご説明します。

治療
STEP5初期治療

歯石を除去し、歯のクリーニングとフッ素塗布を行います。また、この時にブラッシング方法や歯ブラシの選び方、歯間ブラシの使い方なども指導します。

STEP6評価

初期治療後の口腔内の状態を評価するために再度検査します。評価の結果は患者さんに分かりやすくご説明します。

STEP7治療

口腔内の状態が改善されたことを確認し、必要に応じてむし歯などの治療を行います。

STEP8再評価

治療後の状態を再評価するため、口腔内の最終チェックを行います。評価の結果も患者さんに分かりやすくご説明します。

STEP9メインテナンス

口腔内の健康を維持するために、4~6ヶ月に一度程度の定期検診・クリーニングをおすすめしています。健やかな口腔内環境を保つために、ぜひ定期的にお越しください。